階層社会の下側から
シロクマ先生、いつも拝読させていただいています。今回の記事はタイトル煽りすぎではないですか。
それだけ溜まってるものがあったんだと想像し、口を挟むのも野暮かとは思うのですが。
ましてや、トラックバックとはおこがましいかと思うのですが。
だいたい反論ではなく便乗の自分語りです。
想像力がなくても生きていける人
「私/あなた自身に、想像力が欠如している」という事態に、どれだけのデメリットがあるだろうか。
それなりの人口がいるマジョリティーに属する人間には、想像力は無くても何とかなるものなのでしょう。自分の理解できないものは切り捨てるという傲慢さを、幾度となく目にしてきました。
精神障害でまともに外出もできないのを鑑みず、大学進学を執拗に勧める親。
匿名掲示板で意見の平行線に対して「アスペかよ」と罵倒のように使われる傷病名。
討論のゲーム*1でさえ、自分と違う方法を使う人間を怪しいと弾き出す人たち。
彼らの側面に過ぎないのでしょうが、それでも、この方法で渡っていける環境下にいるのだろうな、と感じずにはいられません。
実のところ、私達は想像力の欠如に困っているのではなく、想像力の欠如を望んでやまず、手放したくないのではないだろうか。
合わないものは切り捨てて補充する、人海戦術が取れる状況なら、合理的な考えだったのでしょう。
「一億総活躍」を掲げなければいけない人手不足のご時世に置いても、変わらないことに不安感を覚えます。
想像力がないと生きていけない人
「付き合い」が避けられなかった昭和時代の苦しみから逃れたいという、(中略)そのような生活空間を、本当は誰もが――貧困問題の当事者と呼ばれる人達すら含めて――望んでやまないということも。
マイノリティーが「私は想像力がありません」と明言すると、即座に切り捨て対象です。
人の感情が理解できないのも、マンガやドラマで勉強しましたし、人の神経を逆なでしないように大人しくして言われたことだけやる、分からなくても聞かない、という行動パターンも、一番えらいだろう先生の顔色に注目するという処世術も、小学生になる前から必須技能でした。
それだけコストをかけても、女子グループには入れませんでしたし、ストレスで不登校、ドロップアウトという結末でした。
現状、誰もが摩擦を恐れて階層に甘んじた結果、階層に入れない弱者にすべての摩擦を押しつけているように感じられます。
摩擦を克服してマジョリティー層に飛び込んだものだけが『名誉健常者』として迎え入れられる。
克服できないなら階層で生きるしかない。
そのような情勢になってはいないでしょうか。
私の住んでる地方では、障害者向けグループワークは幼稚園のプログラムか!というほど退屈で*2。
ここを抜け出そうとするなら、自分で道を作らなければいけないという、高すぎるハードルが待ちかまえています。
マジョリティー層へ擬態するのはもう懲りたので、モデルなしで自立に向けてもがいています。階層から抜けるめどは全くたちません。
階層社会のこれから
階層社会は締め出す人間を選別することで、内部の安定を保っていますが、締め出される人間について何の保証もしてくれません。締め出されると、階層内部にある資源にはアクセスできなくなります。つまり、見捨てられます。
見捨てるくらいなら、殺してください。
私はどれだけもがかなければいけないんですか。死ぬより苦しめと言うのですか。
この価値観を選ぶのなら、見捨てる人間は死ぬのだと、殺すようなものだと覚悟してください。
それだけ覚悟してその道を選ぶのなら、筋の通った意見として認めたいと思います*3。
たぶん、こうした問題を根底から解決するためには、その「想像力の欠如」の苗床となっている、現代の生活環境やライフスタイルが刷新されなければならないのだと私は思う。
「口にせずとも解ってもらいたい」
マジョリティー層に住む人になら実現可能なのかもしれません。このような発想で「空気読め」という言葉が生まれるのでしょう。
しかし、私から見ればそれはただのローカルルールです。ローカルルールは他地方者には口にしないと解りません。
このような状態で階層に他階層の人間が入ってくると、自壊するように思えます。
人口減、一億総活躍で、階層の人数が減っていくなら、階層の中だけで生きることが難しくなるのではないでしょうか。
主婦層の掘り起こしにしろ移民にしろ、人手不足を他の階層からの応援で乗り切るのなら、そこに階層どうしの摩擦が生まれることは避けられないでしょう*4。
摩擦が出始めたことが、不寛容社会として報道されているのだとしたら、私はそこに希望を見出したい。
階層が触れ合っている現れだと。
摩擦の克服の仕方をこれから学んでいけるのだと。
『与えよ、さらば与えられん』
『情けは人のためならず』
『隗より始めよ』
そんな気持ちでブログを始めたのです。
長文はまとまらない……。
雑筆で申し訳ないです。